CATARACT SURGERY ANXIETY

白内障手術が怖い方へ
「眠ったような状態」を目指す鎮静とは

「目を開けたまま手術するのが怖い」「器具が見えるのでは」「痛かったらどうしよう」「怖くて動いてしまいそう」。白内障手術への不安が強い方へ、局所麻酔と鎮静の違い、手術中に感じやすいこと、鎮静の考え方を整理します。

まず知りたいこと

「寝ている間に終わる手術」とは少し違います

白内障手術は基本的に局所麻酔で行われます。医療機関によっては、手術への恐怖や緊張が強い場合に鎮静を併用することがあります。鎮静によりうとうと眠ったような状態になることがありますが、全身麻酔とは異なり、完全に眠ることを保証する方法ではありません。

  • 局所麻酔は主に痛みを抑えるために使います。
  • 鎮静は主に不安や緊張を和らげる目的で使われます。
  • 鎮静の適応は全身状態・内服薬などを確認して判断します。

白内障手術を「怖い」と感じる理由

目の手術では、痛みだけでなく「みえてしまうのでは」「動けないのでは」という不安が大きくなりやすいものです。不安の内容を具体的に分けると、術前に確認しておくことがみえてきます。

目を開けたままが怖い

手術中のまぶしさや、目を閉じられないことを想像して不安になることがあります。

器具がみえそうで怖い

手術中に何がみえるのか分からないことが恐怖につながることがあります。

痛かったらどうしよう

局所麻酔をしていても、光や圧迫感などが残る場合があるため、術前に説明を受けておくことが大切です。

動いてしまいそう

緊張、咳、くしゃみ、腰や首の痛みなどが心配な場合は、あらかじめ医療スタッフへ伝えておきます。

白内障手術中には何がみえる?

白内障手術では強い照明を使用します。手術中は、光、色、影、動きのようなものを感じることがあります。一方で、手術器具や手術の様子を通常の視界のようにはっきりみるとは限りません。

「何もみえない手術」と言い切ることも、「手術器具がはっきりみえる」と言い切ることも適切ではありません。感じ方には個人差があります。光や色がみえる可能性を知っておくだけでも、突然の感覚として受け止めにくくなることがあります。

白内障手術の局所麻酔と痛み

日本眼科学会は、白内障手術は基本的に局所麻酔で行うと説明しています。一般には点眼麻酔などが使用されますが、麻酔の方法は医療機関や眼の状態によって異なります。

局所麻酔は痛みを抑えるためのものですが、麻酔をしていても光、軽い圧迫感、水が流れるような感覚などが残る場合があります。痛みやつらさがある場合には、急に体を動かさず、声で医療スタッフへ伝えます。

鎮静とは?「眠ったような状態」とは

鎮静は、手術への不安や緊張を和らげ、眠気を促すことを目的とする方法です。局所麻酔が主に痛みを抑えるのに対し、鎮静は恐怖や緊張への対応として用いられます。

局所麻酔

手術する目の痛みを抑えることが中心。意識は通常保たれます。

鎮静

不安や緊張を和らげ、うとうとした状態になることがあります。鎮静の深さには個人差があります。

全身麻酔

鎮静とは別の麻酔方法です。白内障手術は一般に局所麻酔で行われます。

「白内障手術を寝た状態で受けたい」と検索される方もいますが、医学的には「鎮静により、うとうと眠ったような状態を目指す」と理解するのが適切です。完全に眠ることを保証する表現ではありません。

笑気吸入鎮静と静脈内鎮静

白内障手術で鎮静を行う場合の方法は医療機関によって異なります。代表的な方法として、笑気を吸入する方法や、静脈から鎮静薬を投与する方法があります。

笑気吸入鎮静

笑気を含むガスを吸入し、不安や緊張を和らげる方法です。使用の可否は全身状態などを確認して判断します。

静脈内鎮静

静脈から鎮静薬を投与し、眠気や不安の軽減を図る方法です。薬剤によって呼吸や循環に影響する可能性があるため、適切な観察と安全管理が必要です。

日本麻酔科学会は「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」を公表しており、鎮静では患者評価、モニタリング、緊急時対応などの安全管理が重要とされています。

「怖くて動いてしまいそう」な場合

手術中に急に頭や体を動かすことは避ける必要があります。不安が強い方は、手術当日まで我慢するのではなく、術前の段階で「怖い」「動いてしまいそう」と伝えておくことが大切です。

  • 過去の手術や検査で強い恐怖を感じたことがある
  • 閉所が苦手、緊張すると息苦しくなることがある
  • 咳、くしゃみ、腰痛、首の痛みなどが心配
  • 手術中の光や音、声かけについて事前に知りたい
  • 鎮静が可能か相談したい

手術中につらさを感じた場合は、急に動くのではなく、まず声で伝えることを事前に確認しておきます。

鎮静を相談するときに伝えること

鎮静はすべての方に同じ方法で行うものではありません。年齢、持病、呼吸状態、内服薬、アレルギー、これまでの麻酔や鎮静の経験などを確認し、安全性と必要性を個別に判断します。

事前に伝えておきたいこと

心臓・肺・腎臓・肝臓などの病気、睡眠時の呼吸について指摘を受けたこと、普段飲んでいる薬、抗血栓薬、睡眠薬・抗不安薬、薬のアレルギー、以前の麻酔や鎮静で気分が悪くなった経験などがあれば、事前に医療機関へ伝えます。

白内障手術が怖い方が眼科を選ぶとき

手術件数だけでなく、不安の内容を術前に相談できるか、麻酔・鎮静について説明を受けられるか、全身状態を確認したうえで方法を選べるか、手術中に状態を確認する体制があるか、術後も診察を継続できるかを確認するとよいでしょう。

本サイトでは一般的な医療情報を解説し、監修医療機関で実際に行っている麻酔・鎮静の内容は公式サイトへ分けています。

白内障手術の怖さ・鎮静についてよくある質問

白内障手術は寝た状態で受けられますか?

白内障手術は一般に局所麻酔で行われます。鎮静を併用する場合、うとうと眠ったような状態になることがありますが、全身麻酔とは異なり、完全に眠ることを保証する方法ではありません。鎮静の深さや感じ方には個人差があります。

手術中に器具や手術の様子がみえますか?

手術中は強い光や色、影、動きのようなものを感じることがあります。器具の形をはっきりみるとは限りません。感じ方には個人差があり、不安な方は術前に医療機関へ確認しておくとよいでしょう。

白内障手術は痛いですか?

一般的な白内障手術では局所麻酔が使われます。麻酔をしていても、光、軽い圧迫感、水が流れるような感覚などが残る場合があります。痛みやつらさを感じた場合は、急に動かず医療スタッフへ伝えます。

怖くて手術中に動いてしまいそうです。

不安が強いことを術前に伝えることが大切です。手術中に咳、くしゃみ、痛み、息苦しさ、首や腰のつらさなどがある場合も、急に体を動かすのではなく、まず声で伝えるよう説明を受けるのが一般的です。

鎮静は全身麻酔と同じですか?

同じではありません。鎮静では不安や緊張を和らげ、眠気を促すことを目的としますが、意識や呼吸への影響は薬剤や鎮静の深さによって異なります。安全のため、全身状態や内服薬を確認し、必要なモニタリングを行います。

誰でも鎮静を受けられますか?

すべての方に鎮静が適するわけではありません。年齢、持病、呼吸状態、内服薬、これまでの麻酔歴などを確認し、必要性と安全性を個別に判断します。

眼

医療内容監修:有田眼科 院長 有田量一

最終更新:2026-09-05 監修医プロフィールを見る