緑内障で眼科を転院するとき|まず大切なこと
緑内障の転院で最も大切なのは、治療と経過観察を途切れさせないことです。緑内障は、現在の眼圧だけでなく、これまでの眼圧の推移、視神経の状態、OCT、視野検査を時間軸でみながら管理します。眼圧が正常範囲でも視神経にダメージがみられることがあるため、「眼圧が高くないからしばらく受診しなくてもよい」とは考えず、次の眼科へ治療内容をつなぐことが重要です。
紹介状や過去の検査結果がそろっていなくても受診は可能なことが多いですが、手元にある資料が少しでもあれば、新しい眼科でこれまでの治療を理解する助けになります。

なぜ「同じ治療を続けているか」だけでは不十分なのか
緑内障では、点眼を続けていても、その眼圧がその方の視神経にとって十分低いかどうかは人によって異なります。以前の眼圧が20mmHg前後だった方と10mmHg台前半だった方では、同じ15mmHgでも意味が違います。また、視神経乳頭の形、網膜神経線維層や黄斑部神経節細胞層の状態、視野欠損の位置なども合わせて判断します。
そのため転院先では「今までと同じ目薬を処方する」だけでなく、現在の状態を再評価し、必要に応じて点眼の種類・回数・受診間隔を調整します。過去の治療が適切でなかったという意味ではなく、新しい医療機関で今後の比較に使える基準を作るための確認です。
転院時に持参すると役立つもの
全部そろっていなくても構いません
- 現在使っている緑内障点眼薬の現物
- 薬剤名・点眼回数が分かるお薬手帳や処方内容
- 以前の眼圧の記録
- OCTの印刷結果や画像データ
- 視野検査の結果
- 眼底写真・視神経写真
- レーザー治療歴(SLTなど)
- 緑内障手術歴、白内障手術との同時手術歴
- 点眼で充血・かゆみ・息苦しさなどが出たことがあれば、その薬剤名
とくに点眼薬は、同じ容器でも後発品や濃度が異なる場合があります。薬の名前を覚えていなくても、使用中の容器をそのまま持参すると確認しやすくなります。
OCT・視野検査は「現在の1回」より過去との比較が重要です
OCTでは、視神経周囲の網膜神経線維層や黄斑部の神経節細胞層などを評価します。薄くなっている所見は、緑内障による視神経のダメージを考える手掛かりになります。ただし、OCTは1回の画像だけで診断や変化を決める検査ではありません。近視、視神経の形、撮影位置、画像の質などの影響も受けます。
視野検査も同様に、体調や集中力によるばらつきがあります。以前の検査と比べて同じ場所に変化が繰り返しみられるか、OCTの所見と視野の変化が対応しているかなどを確認することで、より慎重に評価できます。
OCTはメーカーや解析ソフトが違うと、数値を単純に並べて比較できない場合があります。それでも過去画像は、どの部位にダメージがみられていたか、左右差がどうだったかを確認する資料として役立ちます。
新しい眼科で初回に行うこと
- これまでの治療歴を確認いつ頃から緑内障と言われたか、使用中の点眼、レーザー・手術歴を確認します。
- 現在の眼圧と前眼部を確認点眼による角膜・結膜への影響や、白内障の有無も確認します。
- 視神経・眼底・OCTを評価視神経にダメージがみられる部位や程度を確認します。
- 必要に応じて視野検査視野障害の場所と程度を確認し、今後の比較データを作ります。
- 治療方針を決定点眼継続、変更、追加検査、レーザー・手術の必要性を検討します。
紹介状がない場合でも、まず手元の情報を持参
紹介状には診断名、治療の経緯、以前の検査結果などがまとまっているため、可能であれば役立ちます。ただし、かかりつけ眼科の閉院・転居・急な転勤などで紹介状を準備できないこともあります。その場合は、紹介状がないことを理由に点眼を長期間中断するより、受診先へ事情を説明し、手元にある情報から診療を開始することが現実的です。
以前の医院へ連絡できる場合は、後日診療情報や検査結果を受け取れるか確認しても構いません。資料が後から届いた場合は、次回受診時に追加で持参すると経過の理解につながります。

転院時でも、次の症状がある場合は通常の定期受診を待たないでください
- 急に見えにくくなった
- 強い眼痛、頭痛、吐き気がある
- 視野が急に欠けた感じがする
- 目をぶつけた後から見え方が変わった
- 手術後で急な充血・痛み・視力低下がある
これらは緑内障の定期管理とは別に、急いで眼科評価が必要な病気が隠れている場合があります。
よくある質問
以前と同じ点眼薬をそのまま続けてもらえますか?
現在の点眼内容は重要な参考になりますが、新しい眼科では眼圧、視神経、OCT、視野、点眼の副作用などを確認して継続・変更を判断します。以前と同じ薬を継続する場合もあれば、組み合わせや回数を見直す場合もあります。
眼圧が正常なら転院を急がなくてもよいですか?
緑内障では眼圧が正常範囲でも視神経にダメージがみられることがあります。これまでの眼圧と視神経・視野の経過が重要なので、点眼や定期検査を長期間空けないことが大切です。
OCTや視野検査が5年前のものでも持っていく意味はありますか?
古い資料でも、以前の状態を知る手掛かりになります。機器が違うと数値の直接比較が難しいことはありますが、どの部位に変化がみられていたか、左右差がどうだったかを確認できます。
転院すると視野検査はすぐ必要ですか?
全員が初日に視野検査を行うわけではありません。過去の結果、現在の眼圧・視神経所見、最後に検査した時期などを確認して必要な時期を決めます。
受診先へ情報を引き継ぐとき
このページは転院・継続通院についての一般的な医療情報です。実際に必要な検査、点眼薬の継続・変更、受診間隔、手術時期は、現在の目の状態とこれまでの治療内容によって異なります。
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